Malström立ち上げのご挨拶
Malström(マールストロム)という新しいパブリッシャーがスタートします。
TRPG関連の新しい出版社、Malström(マールストロム)がスタートします。Malströmでは、海外のインディーズ系TRPGを中心に、TRPGの日本語翻訳作品の電子版ルールブックの販売を行います。また、Malströmの公式サイトでは、TRPGの販売だけでなく、主に海外の小規模TRPGに関するニュースや特集記事、自社製品のサポート記事などを配信するTRPG情報サイトとしての活動も行なっていきます。
海外のTRPG作品の翻訳と出版
Malströmでは、海外のTRPGデザイナーと直接契約を結び、主に電子版(PDF)のルールブックを、独自のオンラインストアにて販売します。また、反響が大きかった作品に関しては、後に物理的な書籍での出版も行なって参ります。
海外のTRPGにまつわるウェブメディア
Malströmでは、海外のインディーズ系TRPGに関するニュースや、作品の特集記事などを定期的に配信していきます。その他にも、自社からリリースしている翻訳作品に関する特集やサポート、追加データーなどに関しても情報を発信して行きますので、定期的に海外のTRPGに関する情報を得ることができるウェブメディアとしてさまざまなコンテンツを提供して参ります。
Malströmのコンセプトと理念
この数年間でTRPGの国内人気は高まり続けています。毎年数多くの国産TRPGが発表されていますし、国外に目を向けても、『D&D』(ウィザーズ・オブ・ザ・コースト刊)を始め、『ザ・ループTRPG』(グラフィック社刊)や『サイバーパンクRED』(ホビージャパン刊)など、海外の大型TRPG作品も日本語に翻訳され遊ばれるようになってきました。確かに、現在のTRPG人気は『クトゥルフ神話TRPG』(KADOKAWA刊)をはじめとした一部の大型コンテンツによって支えられている面もあるかと思いますが、TRPG人口の増加とともに、その多様性も確実に増し続けているのではないでしょうか。だからこそ、私たちは日本のTRPGプレイヤーたちに、もっと多くの作品に触れる機会を提供したいと考えています。
海外でも大手ゲーム会社だけでなく、個人や同人グループによる小規模なTRPG作品の製作が盛んに行われています。もちろん日本国内で製作される同人TRPGの数には目を見張るものがありますが、やはり日本を除く世界のその他地域(主に英語圏)という分母の規模を考えれば、海外のTRPG界隈では多種多様なTRPG作品が日夜生み出され続けていることになります。
こういった海外のインディーズ・同人系TRPGに関しては、日本国内ではあまり情報が入ってこないこと、そして何よりも言語の壁の問題によって、あまり認知されていないのが現状です。日本のTRPG界隈は長らく、主に言語の問題によって、世界の他の地域(主に英語圏)のTRPGコミュニティとは大きな溝によって隔てられて来ました。それは同時に、その溝の向こうにいる海外のデザイナーやプレイヤーたちにとっても、日本のTRPG作品はあまり知る機会のないものであったことを意味しています。
しかし、日本国内の同人系TRPGがそうであるように、世界には私たちの想像も及ばぬようなユニークな世界観や、画期的なゲームシステム、斬新なコンセプト、目を引くようなグラフィックを持った、数えきれないほどの小規模TRPG作品が存在します。実際、2022年には全く無名であったスウェーデンのインディーズ系TRPG『Kutulu』(FrogGames刊)が日本に紹介され、大きな反響を呼びました。そして瞬く間に日本語版が発売されると、電子版だけで3000部以上が売り上げられるなど、現在も大きな注目を得ています。フィリピンの個人デザイナーによる『ARC:DOOM TABLETOP RPG』(ホビージャパン刊)という異色の作品の発表も、一昔前なら考えられなかったかもしれません。
前置きが少し長くなってしまいましたが、代表であるMontroは、国内でTRPGの熱が高まり、かつてないほど海外のTRPG界隈との距離が縮まっている今日にこそ、もっと多くの日本人プレイヤーに、まだ見ぬ世界の面白いTRPGをたくさん知って欲しいと願い、Malströmを設立しました。TRPGという自由で創造的な遊びは、単に卓を囲む仲間たちと楽しい時間を共有できるだけでなく、時に言語の壁を越え、その作り手の文化的背景や考えを窺い知る機会を与えてくれる素晴らしいものです。そんな作品たちに触れる機会を、言語という問題だけで逃してしまうのはもったいない事だと私たちは考えています。だからこそ、Malströmは世界中のユニークなTRPGを日本へ届け、情報を発信し続けていく事で、日本と世界のTRPG界隈の溝を少しでも狭めたいという理念のもと、これから活動を始めて参ります。どうぞよろしくお願いいたします。